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李陵・山月記 [読書]

今日は予定通り、読書ネタでございます。
「李陵・山月記」でございますね。

李陵・山月記―弟子・名人伝

李陵・山月記―弟子・名人伝

  • 作者: 中島 敦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 文庫

いきなり、どうしたの?と思われる方もいるかもしれませんが、かなり昔の
日記を読んで頂くと分かるのですが、実は中国の歴史物の本を読むのが、
比較的ワタシの趣味では優先度が高かった(過去形)のですね。
定番通り「三国志」や「水滸伝」を読んだ後、「十八史略」とか、岩波の中国
の宰相もの等、目に付くものをホレホレと読んだりしていた訳です。
で、この「李陵・山月記」に関しては、かなり後の方に読んだものではあるの
ですね。

今回記載するのは、

 ・山月記

についてです。
でも、この山月記、かなりの短編です。
さらっと読めば、数分で読めてしまうかも。
古典なので、ネタバレも心配しないでよいでしょうから、あらすじを記載して
しまいますと、以下のようなものですね。

 李徴は優秀な若者で、若くして官吏として採用されたが、それを快しとせず、
 詩人としての道を選んだ。
 しかし、詩人としての名はなかなか上がらず、妻子の生活も窮してきた為、
 再度地方の役人として働く事となる。
 が、かつて、自分が歯牙にもかけなかった若造が既に高位に昇っており、
 プライドの高かった彼は、ある日、闇夜の中に駆けだし、遂に戻っては来な
 かったのだった。

 そんなある日、観察御史の「袁慘(えんさん)」が商於の地に立ち寄ると、 
 駅吏がいうには「白昼以外は通れない」という。人食い虎が出るからと。
 しかし、人数を頼んで袁慘は道を進むと、果たして虎が現れた。
 虎は袁慘に躍りかかろうとしたが、直前で身を翻し、人の声で、
  「危なかった」
 と語る。
 袁慘はその声から、虎がかつての友、李徴である事を悟る。
 虎も自らが李徴である事を語ると、自分の身の上を語り出す。
 自分は如何にもかつて人間の李徴であったが、ある日何故か虎になってし
 まった事。
 虎になってしまっても、自分の詩を後の世に残せないのが悔やまれる事。
 そして、自分は周囲から「驕慢で尊大」であると言われたが、実はそれが
 単に自分の羞恥心のなせるものであった事。
 
 自分より才能の卑しいものであっても、人と交わり才能を磨く事で、詩の世
 界で成功したものもいる。
 自分が虎に身を落としたのも、その狭心故かもしれない・・・と。
 やがて、時が経ち李徴の心が虎に戻る時が近づくと、彼は、袁慘に別れを
 告げ、二度とこの道を通らないように語る。袁慘が遠く丘の上に辿り着いた
 時に、李徴は自らの虎の姿を現すと、光を失った月に向かって咆吼すると、
 叢の中に戻っていった。

話としては、これだけの短いモノです。ですが、丁度ワタシは以下の本を読ん
でいたもので、「いつの世も、作家さんって大変なのね」と思ってしまった。

マンガを読んで小説家になろう!

マンガを読んで小説家になろう!

  • 作者: 大内 明日香, 若桜木 虔
  • 出版社/メーカー: 株)アスペクト
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本
と、再び登場の「マンガを読んで・・・」である。この本によると、ラノベの作家様
は実は余程売れないと、生活はキビシイらしいのだ。
一万部でて、40~50万円位が相場らしい。
うーん。10万部出ても、そこそこの企業の年収位か・・・。
過去の日記で感想文を書いていますが・・・。
http://blog.so-net.ne.jp/kesagake/2007-04-11

本当に夢のない世の中になりつつあるのですねえ。
まあ、何にしても今はネットがあるのですし、山月記のように羞恥心で狭心になる
ことなく、楽しくやって行くべきですな。
ちなみに、ワタシは普通のサラリーマンですよ。

あうえう。
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コメント 2

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こんにちは。

歴史物が好みなのですね。
私も以前(いつ頃かしら…)は司馬遼太郎や子母澤寛を読んでいた時期がありました。

読みハマると、ズルズルと何冊も読み続けてしまうのが…


マンガを読んで小説家になろう、という本は面白そう。
今度、探してみる事にしますわ。
by (2007-06-05 08:12) 

kesagake

赤眼の魔王様、コメント有難うございます。

歴史モノは読み出すと長いですからね。
ワタシはゲーム等で、武将の顔のイメージが湧かないと、
三国志や戦国ものは辛かった覚えがあります。
人数が半端ではないので。

「マンガを読んで・・・」はイロイロな意味で、読んでみると
面白いと思います。
マンガのタイプ分類表なども有りますし。
出版業界もイロイロらしいもので・・・ラノベの作家さんも
大変みたいですね。でも、1万部で独身男性が2ヶ月生活
って、夢がないとしか・・・。
クワバラクワバラです。

ではでは。
by kesagake (2007-06-05 20:40) 

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